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診療報酬の改定と病院の動き


株式会社 サイプレス 
代表取締役 伊藤雅教 


改善すべき大学病院の薬剤購入
 次期診療報酬改定では、今回も薬価の引き下げが決まった。現在でも薬系卸の経常利益率は非常に低く、価格交渉に応じるだけの体力はない。医療機関では、薬価差によって利益を確保することがさらに難しくなるとともに、薬の購入価格交渉も今後、厳しさを増すはずだ。
 こうしたなかで、薬剤の標準化とジェネリック薬品の採用の検討を具体的に進める動きが大病院の間でも広がり始めている。DPCの導入によって、コスト削減の必要に迫られたためだ。しかし、実際の購入金額は薬価を数%程度下回るにすぎず、これに対して民間病院での購入金額は薬価と比較して10〜20%下回っている。これは、大学病院における薬剤購入には改善の余地が大きいことを意味している。見直しによって、民間病院並みの価格差を確保できれば、大きな経営改善につながるだろう。
 ジェネリック薬品を使用した場合には、診療報酬上も先発医薬品と比べて高く評価される。薬品の購入価格が下がらないのであれば、ジェネリック薬品の採用を推進する方向に進みそうなものだが、現実には期待されたほど採用品目は拡大していない。その理由としては、現行の報酬上の加算よりもジェネリック薬品の採用による薬価差の金額のほうが大きいことと、薬品メーカーからのさまざまな資金的援助があるため、採用薬剤を変更する方向にインセンティブが働かないことなどが考えられる。とはいえ大学病院も、ジェネリック薬品の採用を拡大した民間病院で経営改善が進んでいる事実を認識すべきだろう。

給食等の負担増が患者減に直結
 療養病床では今後、給食委託業者との関係に変化が生じることになる。昨年の制度改正に伴って、介護保険施設では食事・居住費が入居者負担に切り替わったため、食費の負担額に見合うだけの満足度向上を図らなければならず、費用低減とともに質向上に向けた交渉も必要となる。これに対して今回の医療制度改革では、一般病床の食事・居住費の患者自己負担化は見送られたため、今後は給食委託費用の低減が単純に進むと見られる。一般病床を持つ施設と介護療養病床を持つ施設の間では、給食委託企業との交渉の内容が異なり始めている。
 介護保険施設と同じく医療療養病床では、今秋から食費や居住費が患者自己負担となる。医療面で差別化が図れない療養型医療施設では、給食等の負担増が患者減少に直結する可能性があり、患者の獲得方法を見直す動きが出始めている。

人事面で課題抱える国立病院
 独立行政法人国立病院機構(NHO)の病院では、人事面で課題を抱えている。人的サービスを提供する医療・介護分野では、人件費を安易に削減せず、優秀な人材を厚遇する人事制度を導入するケースが増えている。これに対してNHOの病院では、このような人事政策はとれないままだ。事務部門の人事異動にも医療事務の専門性を無視したケースが多く、経営環境が厳しさをますなかで具体的な改善活動を支援できずにいる。
 また急性期病院では、機能の明確化が課題となる。この1年間で、急性期病院がDPCへの参加を表明するケースが急激に増加した。平均在院日数を短縮すれば増収が見込めるためだ。一方、増収対策として、一般病床を回復期リハビリ病床や亜急性期病床に転換できたのは、結局ある程度人員体制が整った病院のみである。
 一方、厳しさが増すなか、赤字の自治体立病院は、存続をかけた中長期計画をこぞって作成し始めた。しかし現実には外部コンサルタントを利用して現状分析や中長期計画作成を進めるケースが多いのが実態である。
 大学病院、慢性期病院、急性期病院、自治体病院それぞれで経営改善施策は異なるが、数年前と比べて動きが活発になっているのは事実だ。これも小泉構造改革の影響であろうか。

株式会社日本医療企画 発行 「Phase3」 2006年2月号より転載

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