倉敷成人病センターでの評価
・ 診療部門(医師) 予想以上のコスト削減ができた。これまで、コスト意識はあったが、具体的に「どの分野に大きな可能性があるのか」また「どんな有効な手法があるのか」が認識できていなかった。皆良く頑張ったと思う。 ・ 薬剤部門(薬剤師) 後発品の採用は、薬剤部門が収集した情報に基づき、薬事委員会で検討した。購入金額の低減のみならず、差益も拡大するケースがしばしば見られた。 ・ 技術部門(技師) エビデンスを用いた医療標準化(質に配慮しながら無駄をなくす)とベンチマークを用いた価格交渉の仕方を学んだ。 |
プロジェクト |
コンサルタントの活用についてどのようにお考えですか?
プロジェクト副委員長 |
・サプライ部門 事務部門のみの活動では、数万円のコスト削減にとどまるテーマが、医師、看護師など臨 床現場で標準化が進むことによって、数十万円、数百万円の効果となる。 ・看護部門(看護師) 今後、継続・拡大していくために、次は、主任・副主任のメンバー構成で病院全体の意識改革につなげたい。 |
コスト削減実施データ
最近「医療標準化とコスト削減」に取り組まれた10病院のデータは、下記のように分析することができます
- 薬剤、診療材料、消耗品、委託費などについて、年間換算で、病院1床あたり30万円から40万円のコスト削減ができている。
※10病院の平均は、330床で1億2千万円の削減実績 - サイプレスからの提案(3ヶ月目)段階では、病院支払い費用総額の約10%が削減可能と示され、活動後の評価(12ヶ月目)段階では、支払い総額の約6%が削減実績となっている。
- 放射線、臨床検査等の実施率(実施金額/提案金額)は高い。
- 給食(食材)は、地域性、季節性の点でベンチマーク比較が有効に機能しない場合がある。
部門別コスト削減のポイント
事務、委託 |
委託仕様の明確化、価格ベンチマーク比較 |
給食 | 価格ベンチマーク比較(地域性、季節性)、メニューの工夫 |
放射線 | 医師と協力(使用製品の選択)、価格ベンチマーク比較 |
臨床検査 | 委託費ベンチマーク比較、医師と協力(EBMに基づく検査必要性の見直し) |
診療材料(手術) | 医師・看護師・購買が協力(EBMに基づく製品の統合)、価格ベンチマーク比較 |
看護 | 使用製品の標準化、統合 |
薬剤 | 医師・薬剤師が協力(ガイドライン設定)
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コスト削減実績(10病院平均)
医療標準化とコスト削減実績表
病院名 | 病床数 | 提案金額 | 実施金額 | 実施/提案 | |
1 | A病院 | 600 | ¥488 | ¥245 | 50.2% |
2 | B病院 | 300 | ¥272 | ¥276 | 101.5% |
3 | C病院 | 400 | ¥254 | ¥125 | 49.2% |
4 | D病院 | 200 | ¥148 | ¥102 | 68.9% |
5 | E病院 | 700 | ¥157 | ¥92 | 58.6% |
6 | F病院 | 300 | ¥170 | ¥91 | 53.5% |
7 | G病院 | 300 | ¥178 | ¥78 | 43.8% |
8 | H病院 | 100 | ¥56 | ¥59 | 105.4% |
9 | I病院 | 200 | ¥112 | ¥56 | 50.0% |
10 | J病院 | 200 | ¥185 | ¥79 | 42.7% |
平均 | 330 | ¥202 | ¥120 | 59.6% |