目標管理を導入され、成果をあげておられる 医療法人聖泉会 聖十字病院 の 田伏英晶 副院長に1年間の活動を振り返っていただきました。
目標管理導入の成果はどのような形で現れましたか?
一言でいうと「職員が主体的に考えるようになった」ことが上げられます。
近年、精神科病院を取り巻く環境は大きく変化しています。そんな中で、例えばトップが経営方針として「長期入院の患者さんの社会復帰を促進する」と掲げても、実際は、地域の受け入れ状況や家庭環境を考えると簡単なことではありません。そのことを関係部署が職場目標に掲げ、患者さん自身の目標を聞き取り、地域や家庭環境を考慮して、退院に向けたプログラムを組まねばなりません。「患者さん、家族は、本当はどうなりたいのか、私たちはそのために何をすべきなのか」を考え、計画的に実行してきました。これは、医師、看護、リハビリスタッフ、ソーシャルワーカーが組織を越えて連携し、知恵を出し合って初めてできることです。
それは経営的にどのような価値がありますか?
患者さんの希望に沿った医療、職員に専門職としてのやりがいをもたらすだけでなく、平均在院日数が短縮して、急性期の患者さんが受け入れやすくなりました。 また、デイケアや作業療法の利用者が増加するという経営的な貢献もハッキリと見られます。精神科病院の新しい可能性が見出せましたので、気分障害に対応できる新病院や、社会復帰の受け皿となる福祉ホームなどの計画をしています。 |
コンサルタントの活用についてどのようにお考えですか?
目標管理には「正しい仕事の仕方」「組織の動かし方」といった大切なノウハウが盛り込まれています。 具体的には、法人・病院方針から職場目標に至る計画の作り方、上下、横との組織コミュニケーションのあり方などですが、これを病院にふさわしい内容で理解、浸透させるためには、病院での経験豊富なコンサルタントに依頼するのが良いと思います。 |